総説
乳児期の難聴児ケアの視点
―言語聴覚士による「養育者と子の間主観的コミュニケーション支援」―
2019 年 60 巻 1 号 p. 1-10
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2019 年 60 巻 1 号 p. 1-10
乳児と養育者の関係性発達は出生直後から始まり，養育者によるケアがコミュニケーションのなかで与えられることによって，健全なアタッチメント（愛着）が形成される．近年，その基盤は養育者と情動を共有する間主観的コミュニケーションやコミュニケーション的音楽性にあるとされている．難聴児が自己および他者の情動や意図の認識に目覚め，養育者とのアタッチメント（愛着）を確立することは，機能的な言語発達や望ましい社会性を獲得するために重要である．この視点より，言語聴覚士の一臨床ビデオ映像を分析し，乳児期の難聴児に必要な「養育者と子の間主観的コミュニケーション支援」の一端を示し，その意義について考察した．今後言語聴覚士による間主観的コミュニケーション支援の方法が乳児期の難聴児ケアの視点から確立されることが望まれる．
