音声言語医学
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症例
成人吃音者に対するメンタルリハーサルの効果
―吃音検査法での評価―
福永 真哉塩見 将志時田 春樹池野 雅裕矢野 実郎永見 慎輔
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2019 年 60 巻 2 号 p. 162-169

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抄録

成人吃音者1例に対し年表方式のメンタルリハーサルを行い,訓練前後で吃音検査法ならびに,談話場面に対する反応の自己評定,エゴグラムを実施して訓練の効果を調べた.
症例は3歳で発吃した21歳の男子大学生,吃音の進展段階は第4層で,自由会話時に中-重度の吃音があった成人である.吃音検査法の発話サンプルのうち,訓練前後で比較可能であった自由会話,情報聴取,単語音読,文音読を使用し,非流暢性,吃音中核症状,随伴症状を分析した.
吃音検査法の結果,非流暢性頻度と吃音中核症状頻度は,訓練前に比べ訓練後に減少した.随伴症状も訓練後に減少した.談話場面に対する反応の自己評定で,訓練後に,回避,反応,吃音の頻度は減少したが,回避が残存し進展段階は第4層にとどまった.
メンタルリハーサルの訓練効果は検査場面など発話サンプルの分析でも認め,日常生活での発話行動にも見られた.

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© 2019 日本音声言語医学会
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