音声言語医学
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原著
中国語版「自閉症スペクトラム指数(AQ)」の開発
李 璐玉岡 賀津雄
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2019 年 60 巻 4 号 p. 314-324

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抄録

本研究は,臨床例から理論的に導かれたBaron-Cohenら(2001)の5つの下位尺度からなる「自閉症スペクトラム指数(AQ)」モデルと因子分析から導かれたLau,Gauら(2013)の5因子のAQモデルのいずれが適切であるかを,中国語翻訳版を作成して,355名の中国人健常者に実施し,確認的因子分析のモデル適合度指標で比較検討した.いずれのモデルも,本研究のデータと合致した適切な指標を示さなかった.そこで,Baron-Cohenら(2001)のオリジナルのAQ50(50の質問項目)を基に,各下位尺度の確認的因子分析から貢献度の高い項目を5つずつ抽出して25の質問項目からなる簡易版のAQ25を作成した.AQ25は,データは正規分布に近く,クロンバックの信頼性係数(N=355,α=.78)も高く,再検査法での信頼性係数(N=15,r=.85)も高かった.Baron-Cohenら(2001)の英語版AQ50から,質問項目を半分にした中国語版AQ25は短い時間で効率良く健常者の自閉症スペクトラムを5つの下位尺度で測定することができ,現場の臨床的な使用に有効であろう.

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© 2019 日本音声言語医学会
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