音声言語医学
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原著
吃音のある子どもをもつ保護者の養育態度に関する研究
―父親・母親の心情のズレと,専門家受診,親の会参加が養育に及ぼす影響―
堅田 利明川合 紀宗
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2019 年 60 巻 4 号 p. 332-344

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抄録

吃音のある子どもをもつ父親・母親の養育における心情や協働感の一致とズレの変容を明らかにするため,夫婦48組に対し質問紙調査を実施した.質問紙では,子どもの発吃当時と現在の心情の7側面(吃音の言語症状把握,不安感,吃音理解,配偶者の対応,罪悪感情,孤立感,啓発)と,吃音の相談開始時,親の集いの会参加開始時における満足度について尋ねた.その結果,父親に比べて母親のほうが,発吃当時から現在まで「配偶者に話を聞いてもらいたい」とより強く感じていた.また,子どもの発吃当時は,母親のほうが罪悪感情をより強く抱いていたが,現在では夫婦ともに減少し,有意差はなくなっていた.吃音の相談については,専門家に相談した群と非専門家に相談した群とで親の満足度に顕著な違いが見られた.親の集いの会に参加した群は,参加に高い満足度をもっていた.今後の保護者支援を考えるうえでの基礎資料を得ることができた.

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© 2019 日本音声言語医学会
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