音声言語医学
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原著
高度・重度聴覚障害者の単音節発音明瞭度と単音節に対する自己評価の比較研究
湯浅 哲也加藤 靖佳
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2020 年 61 巻 2 号 p. 121-129

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抄録

本研究では,18歳から24歳までの高度・重度聴覚障害学生で聴覚特別支援学校出身11名および一般学校在籍経験11名の合計22名を対象に,単音節発音明瞭度の結果と,聴覚障害者自身が発音する単音節に対する自己評価の結果の比較検討を行った.その結果,以下の点が明らかになった.(1)単音節発音明瞭度は10〜95%と幅広かった.(2)自己評価も32〜96%と個人差が大きく,なかにはほとんどの音節が伝わる自信があると回答する聴覚障害者が存在した.(3)多くの聴覚障害者が実際の単音節発音明瞭度よりも伝わる自信のある音節のほうが多かった.(4)単音節発音明瞭度および自己評価で,聴覚特別支援学校群と一般学校経験群の間に差は見られなかった.以上より,普段の会話は連続音声による発話であり,単音節のみで発話する機会が少ないことや周囲の人々の聴覚障害者の音声への慣れから,高い自己評価が見られたと推察された.

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© 2020 日本音声言語医学会
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