音声言語医学
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原著
吃音のある子どもをもつ保護者の養育態度に関する研究
―グループインタビュー法による養育過程の心情と,専門家の介入,親の会参加が及ぼす影響の質的分析―
堅田 利明川合 紀宗
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2020 年 61 巻 2 号 p. 140-157

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抄録

吃音のある子どもをもつ父親・母親にグループインタビュー法による分析を行った結果,吃音症状の認識と養育における心情,配偶者の態度と行動の受け止め方,さらには,専門家の介入や親の会参加の影響の一端が明らかとなった.母親は,養育の問題を指摘する情報にとらわれやすい傾向を示し,罪悪感情や将来の不安感を高めていた.父親は,母親をサポートしてこなかった反省や罪悪感情を共通してもっていた.また,父親からサポートされている感覚の強い母親ほど養育における孤立感は低かった.母親は,相談に対応した者が吃音に関する高度な専門家であるかどうかについて解説や助言内容から判断しており,それが吃音に関する高度な専門家であるという信頼感へとつながっていた.親の会参加は,自然治癒を期待している時期の保護者のなかには情報を聞き入れがたく感じる場合があった.その後は,情報を有意義なものとして享受し,みずからの体験を語ることが他者支援となることに喜びを見出すとともに,これまでの養育を肯定できる作用もあった.さらに,わが子の姿を通して吃音の社会啓発の意義を見出していた.

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© 2020 日本音声言語医学会
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