音声言語医学
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原著
幼稚園年長児を対象としたひらがな音読指導の効果
小出 芽以宇野 彰荒木 雄大金山 周平縄手 雅彦Lyytinen Heikki
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ジャーナル 認証あり

2020 年 61 巻 3 号 p. 211-222

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抄録

ひらがな指導を実施していない幼稚園の年長児126名に音読指導を実施し正確性と流暢性の観点から効果を検討した.対象児を指導群と統制群に分けたうえで,各群をさらに習得度3段階(良,中,低),5段階(良,中,低上位,低中位,低下位)に編成した.ひらがな71文字の音読指導を指導群にのみ10月から8週間(計60-80分)実施した.その結果,正確性に関して指導群全体では指導前後の音読正答数が有意に上昇したが,同期間中に統制群でも有意に上昇していた.習得度別では指導中,低群において音読正答数が有意に上昇していたが,統制中,低群でも有意に上昇していた.これに対して,指導低上位,低下位群の音読正答数が有意に上昇した一方で,統制低上位,低下位群では向上しなかった.流暢性に関しては指導良群の音読開始時間が有意に短縮したが,統制良群は変化を示さなかった.本研究では,年長児への音読指導の効果は限定的ではないかと思われた.

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© 2020 日本音声言語医学会
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