音声言語医学
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原著
声帯結節症に対する音声治療の検討
―保存的治療の効果と限界―
森 祐子二村 吉継南部 由加里平野 彩久保田 陽子上西 裕之東川 雅彦
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2020 年 61 巻 3 号 p. 237-244

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抄録

当診療所にて音声治療を行った声帯結節症例35例に対し,音声治療前後のVHI,MPT,GRBASスケール,音響学的評価(jitter,shimmer,NHR,F0)について解析を行った.VHI,MPT,shimmerは有意に改善が見られ,F0は有意に上昇した.jitter,NHRは音声治療前後で有意差がなかったが,音声治療前にカットオフ値を平均値+1.5 SDとして逸脱した症例については有意に改善が認められた.

患者の職業は80%が音声酷使を伴う職業に従事しており,39%が学校教諭,幼稚園教諭,保育士などの教職者であったが,職業上の音声酷使のある症例に沈黙療法を行うことは難しい.声の衛生指導とvocal function exerciseを中心に音声治療を行い,発声を禁じなくとも改善を得られる結果であった.

音声治療による保存的治療で治療を完了したのは74%(26/35例)であったが,9症例に対し顕微鏡下喉頭微細手術を施行することで改善を得られた.音声治療の効果が認められる一方限界を見極めることも重要であると考えられた.

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© 2020 日本音声言語医学会
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