音声言語医学
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原著
Dysarthria例における携帯型DAFの有用性
―使用時および非使用時の効果検証―
志村 栄二
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ジャーナル 認証あり

2020 年 61 巻 4 号 p. 331-341

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抄録

dysarthria 3例を対象に携帯型DAFを用いた訓練を日常生活場面で約3ヵ月間実施し,携帯型DAFの使いやすさや操作方法の問題点を調べ,実用性や臨床応用への課題を検討した.なお,DAFの使用方法は症例がDAFによって遅延された音声に自身の音声を重ね合わせる母音を延ばす方法を用いた.
効果を検討するために訓練前後に評価を実施し,DAF使用時と非使用時に分けて分析した.その結果,携帯型DAF使用時では操作方法などに問題が見られたものの,非使用時に比べ全例で会話時の明瞭度が改善した.また,訓練終了後も母音を延ばす方法を用いてDAFを使用できていたことから,携帯型DAFは日常生活場面で発話明瞭度を高めるための有用な手段になる可能性が示された.DAF非使用時では,訓練終了後に会話時の明瞭度が3例中1例で改善し,単語音読時の発話速度は全例で有意な低下が認められた.このことから,日常生活場面における携帯型DAFを用いた継続訓練の効果は般化する可能性が示唆された.

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© 2020 日本音声言語医学会
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