音声言語医学
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原著
両側人工内耳装用児における同時手術と逐次手術の症例の検討
植草 智子岩崎 聡久保田 江里櫻井 梓古舘 佐起子岡 晋一郎小山田 匠吾高橋 優宏
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2021 年 62 巻 4 号 p. 328-333

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抄録

両側同時手術群と逐次手術群において,難聴原因および術前・術後の装用閾値,聴性行動,発声・発話行動の変化について比較し,同時手術および逐次手術の症例の検討を行った.2016年4月〜2019年8月に当科で人工内耳植込術を施行した6歳未満の同時手術例5名,逐次手術例9名を対象とした.術前裸耳聴力閾値,補聴器装用閾値,KIDSの総合発達指数,新生児聴覚スクリーニング受検率,難聴遺伝子検査受検率,手術時年齢,術後の人工内耳装用閾値に有意差は認められなかった.難聴遺伝子検査結果により人工内耳が有用とされている原因遺伝子が明らかになることで,同時手術や,逐次手術の2期目を早期に検討する根拠となる症例もあった.音入れ後3・6ヵ月時のIT-MAIS,MUSSの得点は,術前と比較して両群とも有意な改善を認めた.今回の検討では2群間に有意差は認められなかったが,今後も同時手術群と逐次手術群の経過を検討していきたい.

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© 2021 日本音声言語医学会
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