音声言語医学
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原著
先天性重度聴覚障害人工内耳装用例の読書力診断検査による検討
赤松 裕介廣田 栄子尾形 エリカ山岨 達也
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2022 年 63 巻 1 号 p. 34-42

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抄録

小学校就学前にCI手術を受け,当科にて聴覚管理を行っている先天性重度聴覚障害児123名を対象に,小学校低学年(1-3年生)時の読書力検査(教研式読書力診断検査)と聴取能検査(福田版明瞭度検査単音節語表)の結果を後方視的に解析した.
読書力偏差値は大きな個人差を認めたが,症例の54%で健聴児平均以上を示し,CI装用下の単音節聴取能と有意な相関を示した.読字力領域では,おおむね健聴児平均以上の良好な傾向を示し,語彙・文法・読解鑑賞領域で低下した.発達障害例,蝸牛神経低形成例は読書力に影響を与えることが示されたが,内耳奇形例と4歳以上手術例に必ずしも読書力の低下を示さなかった.聴取能の予後不良因子を除いた標準例の読書力偏差値は症例の61%(平均偏差値49.8)で健聴児平均以上を示し,動作性知能指数と単音節聴取能の関与が示された.今後,教育環境や家族要因などについても検討を行うことが必要と考えられる.

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© 2022 日本音声言語医学会
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