音声言語医学
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総説
補聴器フィッティングにおける医師と言語聴覚士の役割
西村 忠己齋藤 修北原 糺
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2022 年 63 巻 3 号 p. 157-162

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抄録

高齢化社会となり補聴器が必要となる難聴者数が増加し,それに伴い補聴器に対するニーズも増加している.欧米では資格を有した専門職が中心となり補聴器医療が行われているが,日本の現状は必ずしもそうではない.補聴器に関する実態調査の結果では補聴器に満足している装用者は4割程度と欧米と比較して半分程度である.より良い聴こえを装用者に提供するためには知識,技術を有した耳鼻咽喉科医,言語聴覚士の関与が望まれる.実際に両者が協力し補聴外来を行っている当院でフィッティングした症例について評価を行うと,欧米の結果と等しい約8割の装用者が補聴器に対して満足していた.これまでに報告されている医療機関で行われているフィッティングの結果についても同等であり,高い満足度を得るためには,資格を有した専門職が協力し,質の高い補聴器医療を提供していくことの重要性が示された.

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© 2022 日本音声言語医学会
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