吃音者の自己受容はQOLの向上にポジティブな影響を示すことが示唆されているが,これを単一の概念として量的に測定可能な尺度はなく,既存尺度の修正や類似概念を使用して調査が行われている.本研究では,吃音者の自己受容を測定する尺度を開発し,その信頼性・妥当性を確認することを目的とした.吃音の心理的・社会的側面を含む特性を包括的に測定可能な尺度項目を提案し,吃音者に実施した.分析対象となった100名の回答を分析した結果,16項目3因子構造の尺度が完成した.また本尺度は高い信頼性(内的整合性・時間的安定性)と妥当性(内容的妥当性・基準関連妥当性・構成概念妥当性)が確認された.本尺度は対象者の主観的な吃音の程度や過去の支援・介入経験によって平均点に差異が見られることから対象者の属性を踏まえて慎重に解釈するとともに,単発的な使用ではなく縦断的な評価指標としての活用が効果的であることが考えられた.