音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
鼻咽腔閉鎖不全を呈する粘膜下口蓋裂および非口蓋裂症例の臨床的特徴と治療
伊藤 静代早津 良和玄番 涼一福田 修菊地 厚志古田 勲小浜 源郁
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 24 巻 2 号 p. 119-127

詳細
抄録

“口蓋裂言語”を呈する粘膜下口蓋裂および非口蓋裂の26症例について, 臨床的特徴を明らかにした.またパラタルリフトを21症例に適用し, 本装置の鼻咽腔閉鎖機能と言語に与える効果を検討した.
その結果は, つぎのようであった.
1.本症例は, 唇顎口蓋裂児と比較して, 発見時期が遅い.
2.合併する問題は高頻度で, とくに耳鼻科的疾患, 言語発達の遅れ, 哺乳障害, 咬合異常, よだれ, いつも口を開けている者が多く認められた.
3.初診時, 全症例に開鼻声が認められた.
4.パラタルリフトは, ブローイング時の呼気の鼻腔漏出, および開鼻声の減少と消失に著しい効果を示し, 鼻咽腔閉鎖機能と言語の改善に有効な手段のひとつとみなされた.

著者関連情報
© 日本音声言語医学会
次の記事
feedback
Top