音声言語医学
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ホーム・トレーニングに参加した難聴幼児のフォロー・アップ―学童期の言葉の了解力の発達よりみて―
小林 はるよ堀内 美智子田中 美郷
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1985 年 26 巻 2 号 p. 159-166

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抄録

この研究は, 幼児期にホームトレーニングに参加し, 現在学齢にある難聴児の, 現在の言語の状態にかんする追跡調査の一部で, ビデオテープを通じて話される単語, 文, 短い物語の了解について調査したものである.難聴児は聴力レベルの軽い群と聴力レベルの重い群に分け, 両群の成績を比較した.また, 難聴児群の成績を健聴のコントロール群の成績と比較した.結果は, 以下の通りである.
1.聴力レベルの軽い群, 重い群ともに, 読書力検査により得られた読書学年が高いほど, 単語, 短文, 物語のいずれの了解の成績も向上した.
2.読書学年が同じであれば, 聴力レベルの軽い群のほうが, 了解の成績がよかった.
3.物語の了解においては, 難聴児群は, 読書学年が健聴児群より1~3年高い場合に, 健聴児群とほぼ同じ成績を示した.

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© 日本音声言語医学会
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