音声言語医学
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発声条件 (発声法) を考慮した発声機能検査の意義について
―発声関数表示の試み―
磯貝 豊原田 利治斎藤 成司
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1987 年 28 巻 2 号 p. 109-122

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抄録

正常な発声機能とは, 幅広いrangeを有する発声可能帯域の中での標準的な条件での発声法を意味し, 病的な発声機能とは, 正常の発声可能帯域の狭小化ないしは狭小化した帯域への発声法の移行を意味するとみなされる.
したがって, 発声機能検査は, 発声法を指標として理解されるべきである.
Diminuendo発声法は, 容易にpitch一定で, 呼気流率の対数値 (1og F) と音圧値 (dB) が, dB=C0+C1log F (C0, C1; 定数) の一次式で回帰される発声となるので, 発声法の定量的表現に適していると思われる.
また, 病的例においては, 最小発声に近づいた点での発声の異常, 破綻があらわれやすいので, 発声可能帯域と発声不可能帯域との境界が顕在化されやすいという利点も有する.

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