脳卒中後に出現した吃症状患者12例について, CTで脳損傷部位を確認する一方, 吃症状の特徴を調べた.患者はすべて右利きの男性で年齢は44~77歳であった.吃症状の出現には, 脳卒中後初めての者, 吃音の既往歴があって再発した者, 脳卒中後徐々に現れて進行した者の3つのタイプがみられた.脳病巣は左半球か両半球の前頭葉に多く, 右半球のみは1例であった.吃症状の特徴は, 発話の語頭のみでなく全般にわたって間代性の反復が多く出現し, 随伴運動や心理的反応はみられず, 小児の吃音とは大きく異なっていた.このデータをもとに脳損傷後の吃症状 (ac-quired stuttering) と小児の吃音 (developmental stuttering) について若干の考察を加えた.