音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
表出言語障害の1例における音声言語と文字言語の発達
大石 敬子宮入 八重子長畑 正道
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 28 巻 3 号 p. 152-161

詳細
抄録

1) 表出言語障害を呈する初診時5歳10カ月女児における音声言語と文字言語の発達経過を, 4年にわたり観察し, 両言語発達における特徴を検討した.
2) 本症例は, 言語理解にくらべ, 言語表出の発達が著しく遅れ, その背景に構音の企画過程の障害が推察された.
3) 文字言語は, 音読, 読解, 書字のいずれにおいても発達が著しく遅れたが, 読み書きの情報処理モデルを用いて検討し, その背景には, 構音の困難性に起因する音韻操作の発達の障害が推察された.

著者関連情報
© 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top