音声言語医学
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気流阻止法を利用した, 発声時の空気力学的検査法
澤島 政行本多 清志青木 幸夫
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1987 年 28 巻 4 号 p. 257-264

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抄録

発声障害に対する空気力学的検査の一方法として, 気流阻止法を用いた発声時の呼気圧 (肺内圧) 測定を, 呼気流率, 声の強さ, 高さの測定と組合せる方法を開発した.装置は気流阻止用の回転シャッターを, 永島製の発声機能検査装置PS-77のマウスピースに接続したものである.
マウスピースを気密にくわえて持続発声中にシャッターを短時間閉じると, シャッター手前の圧は急速に上昇し, 肺内圧と平衡に達する.圧力, 呼気流率, 声の強さ, 高さの4個の出力はマイクロコンピュータに読み込まれる.それらの時間カーブ, 指定した時点における測定値は, CRTスクリーンに表示され, また記録紙上に記録される.さらにデータはフロッピーディスクに保存される.
本法は非侵襲的で患者にとって容易であり検査の手順も簡単である.本法は声門下圧を直接測定するものではないが, 呼気使用の効力を評価する臨床検査としては非常に有用である.

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© 日本音声言語医学会
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