音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
声帯の成長, 発達と老化
―とくに層構造の加齢的変化―
栗田 茂二朗
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キーワード: 声帯, 層構層, 加齢変化, 組織
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1988 年 29 巻 2 号 p. 185-193

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抄録

剖検より得られた男63個, 女59個の喉頭を肉眼的, 組織学的に観測し以下の結果を得た.
1) 声帯の長さ, 声帯膜様部の長さは, 新生児より年齢とともに増大し, 20歳頃に成人の長さに達する.
2) 声帯粘膜の厚さは, 新生児でも0.75~0.95mmでかなり厚く, 年齢に伴う増大はわずかである.
3) 新生児では声帯靱帯が形成されていない.靱帯の発達は, まず線維束が膜様部全長に連なり, 次に弾性線維, 膠原線維の層が分化し, さらに密度を増すという過程をとおって完成する.
4) 粘膜固有層浅層は, 加齢とともに浮腫状となって厚くなる.中間層は弾性線維の萎縮のため薄くなり, 深層は膠原線維の増生によって厚くなる.これらの傾向は男の方で顕著であった.

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