音声言語医学
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早期より文字言語を導入した聴覚障害児の言語検査成績
鈴木 重忠能登谷 晶子古川 仭宮崎 為夫梅田 良三
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1988 年 29 巻 3 号 p. 280-286

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抄録

文字言語も早期から指導する文字・音声法 (金沢方式) で言語治療を受けた難聴幼児の言語発達を客観的に知ることを目的に, 就学前に行った修正版絵画語い発達検査, 聴覚障害児用単語了解度検査, 音読明瞭度, 幼児・児童読書力テスト, 改訂版教研式全国標準新読書力診断検査成績を検討し, 以下の知見を得た.
1) 音声言語の了解は従来の指導法による成績を上回る傾向を示した.
2) 発音の明瞭度は従来の指導による成績を下まわることはないと推測された.
3) 読書力は学齢前でも普通小学校2年相当を獲得できることがわかった.
4) この読書力は先に行った幼児・児童読書力テスト成績と強い相関を示した.
以上より, 文字・音声法は難聴幼児の言語発達促進に有用であることが示された.

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© 日本音声言語医学会
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