音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
聴覚障害幼児の音声言語行動の諸相と交信方法
菅井 邦明
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 31 巻 3 号 p. 280-286

詳細
抄録

本研究では, 3歳~6歳の聴覚障害幼児33名を対象に音声言語行動の学習を観察した.対象児の聴力レベルは, 63dB~130dBであった.言語行動の分析には, 歌遊び「げんこつ山のたぬきさん」を用い, 以下の7条件で観察した.
1.検者は子供と対面し, 歌を歌いながら動作をする.2.検者は動作をせず, 歌のみを歌う.3.13秒で録音した歌をテープレコーダーで提示する.4.10秒で録音された歌を3と同様に提示する.5.12, 10, 8秒で録音されたレコードの歌を提示する.6.子供が動作しながら歌う.7.子供が動作せず歌う.
結果は次のようであった.
第2条件の子は9名で聴力レベルは97~130dBに分布していた.第3条件の子は1名で107dBであった.第4条件の子は7名で91~122dBに分布していた.第5条件の子は16名で63~115dBであった.この結果をもとに, 音声言語行動の学習過程と交信方法の選択について考察した.

著者関連情報
© 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top