音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
中耳・外耳奇形による両側性伝音性難聴症例の音声言語発達
前田 知佳子広田 栄子田中 美郷
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 31 巻 3 号 p. 303-308

詳細
抄録

両側中耳・外耳奇形症児15例 (4~8歳) を対象に, 軽中等度伝音性難聴が音声言語の発達に及ぼす影響について検討した.その結果, 言語発達については15例中8例 (53.3%) に8ヵ月以上の遅れが認められた.とくに構文力の遅れが著しく, 1~4年の遅れを認めた.補聴器を早期から常用した症例は比較的構文力の発達が良好であった.音声の障害については分節的側面に軽度の障害が認められた.
両側中耳・外耳奇形症児にたいしては, 難聴の程度が軽度であっても, 早期に補聴器装用指導をおこなうことが必要であり, 構文および構音に視点をおいた言語指導をおこなうことが望ましいと考えられた.

著者関連情報
© 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top