声の障害に対して, 発声機能の客観的評価が必要であるといわれている.本報告の目的は, 様々の喉頭疾患における発声機能を音声機能検査のガイドラインに従った楽な発声時の測定から, その臨床的意義を検討することにある.402例の喉頭疾患に対してPS-77により発声機能の空気力学的パラメータである呼気流率, 声の強さ, 基本周波数を同時測定し, 既に評価されている正常範囲の値と比較検討した.呼気流率は発声様式の指標である声門抵抗や呼気努力によって変化しうるが, 臨床的には, 呼気流率の増大によって声門閉鎖不全の程度, あるいはその減少は声門の過緊張状態を知るのに役立つ, しかし喉頭疾患を直接診断し得るものではない.またこの検査は治療後の変化を知る一助となる.