音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
言語知覚の神経学
板東 充秋
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35 巻 (1994) 3 号 p. 285-288

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抄録

失語の聴理解障害に関与しうる中枢性障害を論じた.1.純音聴力障害: 両側皮質下病変により持続性の純音聴力障害が起きることがある.両側皮質病変でも一過性には純音聴力低下がみられることがある.2.音の認知一般の障害: 両側側頭葉の病変で環境音の認知の障害が起きることがある.一側性病変で起きるかどうかは未だ不明である.3.語音に選択的な聴力障害: 両側または優位側側頭葉病変で純粋語聾が起きることがある.Schuster and Taterkaは一側性病変でも両側半球よりの聴覚情報が障害される機序について仮説をたてている.これに従えば, 一側性病変でも, 上述した障害の組み合わせで聴力障害が起きる可能性がある.4.「失語」: 以上のような障害が優位でないにも関わらず了解障害が起きる失語がある.また, Broca失語では側頭葉を含まなくても了解障害が起きる.失語の了解障害には, これ以外にもさまざまな機序があると思われ一層の研究が必要であろう.

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© 日本音声言語医学会
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