音声言語医学
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言語行動改善を目標とした母親指導の試み
―ビデオ利用による系統的プログラム―
相野田 紀子和泉 慶子
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1995 年 36 巻 3 号 p. 355-359

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抄録

母親に言語刺激に関する指導を行うとき, 口頭指示や実技指導のみでは効果が得られない場合が少なくない.私たちはビデオ録画を利用した系統的な母親指導プログラムを試みたので, その内容と結果を報告し, 併せて今後の課題を提起した.プログラムは評価過程を含め10回で構成され, 母子の自由遊戯場面を撮影したビデオテープを再生し, 指導者と母親が個別に同形式のチェックリストに記入して, 指導前後の評価結果とした.指導前および指導後の評価結果は指導者と母親とで必ずしも一致しておらず, 指導者が顕著な指導効果を認めたにもかかわらず効果を認めない母親は7名中2名, その逆の母親が1名いた.しかし, アンケート調査では, 母親全員が指導効果を認めていた.本プログラムを通し, 評価項目の内容の個別的な設定と評価の実際に関する今後の課題を示した.

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© 日本音声言語医学会
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