音声言語医学
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中国における幼小児難聴の原因の検討
張 道行田中 美郷
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1995 年 36 巻 4 号 p. 397-401

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抄録

1987年の中国におけるサンプリンク調査によると, 0~14歳の聴覚障害児は171万人と推定された.われわれは中国難聴児の難聴原因を知るために, 北京および大連難聴児リハビリテーション研究センターならびに大連医科大学病院耳鼻咽喉科外来を訪れた難聴児230名について, 難聴原因を調査, 検討した.
1) これらの難聴児の良聴耳平均聴力レベルの平均値は99.54dB, 標準偏差は14.76dBであった.
2) 難聴はすべて感音性であり, その原因は不明のもの45%, 聴器毒性薬剤が原因と考えられるもの41%であった.
3) 難聴の予防と難聴児の早期診断, 早期療育のために各地区総合病院での耳鼻科医と小児科医の協力関係を確立することの必要性が強調される.

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