音声言語医学
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音声言語医学の源流とわが国における発展―前篇―
19世紀中葉より日本音声言語医学会誕生 (1956) までの約100年間について
切替 一郎
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1995 年 36 巻 4 号 p. 408-419

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抄録

わたくしは音声言語医学の源流を, 19世紀中葉に求めたい.
その頃, Helmholtz, BrocaやWernickeなど多数の学者が出現して, 聴こえ, 声や言葉, その障害について重要な発見をした.
1854年にGarciaは喉頭鏡を発明して, 初めてヒトの生きた喉頭を観察, つづいてCzermakはこれを臨床に応用した.この頃から医学は一層進み, 細かい分野に文化した.
音声言語医学も専門分化して, その主導者であったベルリンのGutzmannのところには多数の俊秀が集まった.1911年にはウィーンのFr隸schelsは耳鼻咽喉科学教室のなかに音声言語障害患者のための専門クリニックを開設し, これが1924年にIALPの創立される基となった.
それより45年遅れて日本では颯田琴次の提唱により日本音声言語医学会が発足した.

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© 日本音声言語医学会
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