1996 年 37 巻 3 号 p. 330-334
音声外科の手術では気道を患者, 術者, 麻酔科医が分け合うので, 喉頭微細手術のような小手術でも麻酔が比較的に難しくなる.したがって, 術者と麻酔科医のよいチームワークがまず重要である.腫瘍の喉頭微細手術では心血管系の合併症のある患者も多く, 術前の詳細な検討と治療が必要である.喉頭微細手術は細めのチューブで気管内挿管下によく行われているが, 患者に発声させたいときにはニューロレプトアナルゲジアも利用できる.筆者の行っている全身麻酔による喉頭微細手術の実際について述べた.一方, 口蓋裂の小児では顎の異常が多く気管内挿管が難しいことが多く, 術前の周到な準備が必要である.