音声言語医学
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直達喉頭鏡下における喉頭腔の多方向内視鏡観察
―膀胱・尿道用硬性内視鏡の応用―
川井田 政弘福田 宏之甲能 直幸
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1997 年 38 巻 2 号 p. 190-195

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抄録

直達喉頭鏡を用いた喉頭顕微鏡下の観察は優れたものであるが, 喉頭腔のうち, 仮声帯下面や喉頭室, 声帯下面などは死角となる.腫瘍性病変では, これらの部位に浸潤することもあり, 死角部位の詳細な観察法が望まれる.そこで, 泌尿器科で用いられる膀胱・尿道用の側視型硬性内視鏡にカラービデオカメラを接続し, 直達喉頭鏡を通して喉頭腔の多方向内視鏡観察を試みた.カラーテレビモニターに拡大された鮮明な映像を映し出すことができた.通常光源に加え, 喉頭ストロボスコープを使用し, バイブレーター法での観察も行われた.声門部上皮内癌と声門型喉頭癌の2症例に施行したが, いずれも鮮明な映像が得られた.本法を紹介するとともに, 手技や利点について考察した.

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