音声言語医学
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囁語における高低の知覚
―加工音による実験―
東川 雅彦坂倉 淳高橋 宏明
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1997 年 38 巻 2 号 p. 211-215

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抄録

囁語における高さの知覚 (ピッチ) とホルマント周波数の関連を明らかにすることを目的として, 正常発話者2名の囁語サンプル/a/のホルマント周波数を移動させた加工音を作成し, それらがピッチの知覚に及ぼす影響を調べた.加工音の設定は, 第1ホルマント周波数 (F1) , 第2ホルマント周波数 (F2) , および全周波数成分を±50Hz, ±100Hz移動させたものとした.聴取者は6名の耳鼻咽喉科医とした.その結果, 全周波数成分を移動させた加工音において, 移動に応じてのピッチの変化が最もよく知覚された.次いでF1を移動させた加工音がよく聞き取られた.F2の移動は設定どおりのピッチの変化が知覚されることは少なかった.以上の結果から囁語のピッチの出し分けには, 口唇の丸め, 喉頭の移動などによって得られる, ホルマント構造全体をシフトさせる調節が重要であることが推測された.

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© 日本音声言語医学会
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