音声言語医学
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発吃1年未満の音韻障害を併せ持つ吃音幼児の特徴
―発話分析および発達スクリーニング検査の結果をもとに―
小林 宏明早坂 菊子中西 靖子
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1997 年 38 巻 3 号 p. 273-280

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抄録

発吃1年未満の音韻障害を併せ持つ吃音幼児 (音+吃児) の, 発話および認知, 言語, 運動等の発達の特徴を検討するために, 音+吃児, 音韻障害を持たない吃音幼児 (吃児) , 吃音を持たない音韻障害幼児 (音児) に対して (a) 発話分析 (非流暢性発話, 音韻過程) , (b) 発達スクリーニング検査 (JMAP, NECMND) を実施した.その結果, (1) 発吃1年未満の本研究の対象児においては, 音+吃児と吃児間の非流暢性発話の差は必ずしも認められなかった, (b) 音+吃児, 吃児が示した音韻過程の総数および種別には, 対象児間でかなりのばらつきが認められた, (3) 発達スクリーニング検査の結果, 音+吃, 音児は吃児に比べてわずかに低得点を示す傾向にあった.これらの結果から, 今後, 音+吃児の特徴を検討する際に必要になると思われる視点について考察を行った.

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