38 巻 (1997) 4 号 p. 366-369
日本手話の単語の認知について, 25名の聾者を対象にして, 短期記憶とゲイト法の実験を行った.その結果, 次のことがわかった.
(1) 手話単語の短期記憶の誤りには, 手話言語の音韻レベルの誤りが多くみられ, 音声言語と同様, 日本手話でも認知の過程で音韻レベルの分析がなされていることが示唆された.
(2) ゲイト法の実験からは, 手話の単語の認識で, 位置・手型の音韻がまず認識され, その後に運動が認識される.以上の過程で, 単語が同定されるということが示唆された.また, 手話の習得時期が早期のほうが, 手話動作の早い時点で単語が認識される傾向にあることがわかった.手話を早期に習得したほうが, 手話を認識する上で有利であることが示唆された.