38 巻 (1997) 4 号 p. 385-389
高次脳機能や坐位の保持に障害のない非進行性疾患による13例の動的嚥下障害の機能訓練の有効性について検討し, 動的嚥下障害の機能訓練は有効との結論をえた.60歳未満の症例に機能訓練が有効である可能性が高い.発症後できるだけ早期に機能訓練を開始できる症例では機能訓練が有効である可能性が高い.発症から機能訓練開始までの期間が1年を経過した症例では機能訓練の有効である可能性は低い.しかし, このことは, 発症後1年間機能訓練を続けても回復しない症例が嚥下障害の外科的治療の適応となることではない.障害の受容ができていない症例では機能訓練を行っても効果は上がりにくい.片麻痺や過勢失調がないか, あっても軽度で移動能力に障害がない症例では機能訓練が有効である可能性が高い.咽頭食道透視検査で, 食道入口部が全く開大しない症例では機能訓練に多くは期待できない.