1998 年 39 巻 1 号 p. 5-8
異常構音が存在するために構音訓練の開始を予定している唇顎口蓋裂群と構音訓練を必要とする異常構音は存在しないと判定された唇顎口蓋裂群および正常児群の3群にWPPSI知能診断検査を行い, 3群間に差がみられるか検討した.
その結果, 3群とも言語性知能指数 (以下, VIQ) が動作性知能指数 (以下, PIQ) より有意に低く, 唇顎口蓋裂の2群は, 正常児群に較べて, PIQ-VIQの差が有意に大きかった.唇顎口蓋裂の2群間に差はなかった.
正常児群に較べて, 唇顎口蓋裂児群2群のPIQ-VIQの差が有意に大きいという結果によって, 唇顎口蓋裂児群2群に構音に限らない言語発達の遅れがあることが示唆された.