1歳6ヵ月から6歳11ヵ月までの就学前健常幼児336名を対象に, 〈S-S法〉言語発達遅滞検査を用いて言語能力調査を行った.本稿では, 言語理解と表現それぞれについて, 絵カードを用いた語彙, 語連鎖の検査結果を報告した.
理解面は, 1歳後半で身近な事物の名称や動作語, 2歳前半で2~3語連鎖, 4歳前半で語順, 5歳後半で助詞の理解が可能であった.表現面は, 1歳後半で事物の名称, 2歳前半で動作語や2語連鎖, 3歳後半で3語連鎖の表現が可能であった.これらの結果より, 健常幼児の発達において, 〈S-S法〉言語発達遅滞検査の基本的な段階の順序性が確認された.また, 言語訓練における幼児語や身ぶりの有用性が示唆された.