音声言語医学
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訂正方略に対する聴覚障害幼児の応答
三浦 哲
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1998 年 39 巻 4 号 p. 363-368

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抄録

聾学校幼稚部に在籍する4歳の聴覚障害幼児6名を対象に, 「話し合い」活動中に他者から提示された訂正方略に対する応答状況を検討した.その結果, 対象児は多くの場合, 他者による訂正方略に対する応答が可能であった.その際, 自らの最初の表出を反復するのではなく, 主に音声部分の発話内容や音韻的側面および韻律的側面を変更していた.また応答パターンには個人差が認められ, その個人差に関与すると思われる要因がいくつか見出された.さらに訂正方略の活用と応答の間の関連性が示唆された.今後の課題として, 対象児を縦断的に追跡し, 対象児の応答パターンと訂正方略の活用状況および音声表出能力との関係について, さらに検討する必要があると思われた.

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