音声言語医学
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CATCH22患児の鼻咽腔閉鎖機能の検討
浅野 和海後藤 慶子櫻井 榮岡本 健
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1998 年 39 巻 4 号 p. 396-403

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抄録

CATCH22患児9名の鼻咽腔閉鎖機能を調査し, 口腔内所見や鼻咽腔造影X線ビデオの所見とあわせて検討した.鼻咽腔閉鎖機能は, 2例が良好, 5例がやや不良, 2例が不全で, 計7例 (78%) に問題があった.口腔内所見では, 口蓋垂裂を4例 (44%) に, 後鼻棘の欠損を5例 (56%) に認め, 少なくともどちらか一つの所見を認めたのが, 9例中7例 (78%) であった.鼻咽腔閉鎖機能が良好であった2例にも, 後鼻棘の欠損を認めた.疾患別にみると, 粘膜下口蓋裂が3例, 先天性鼻咽腔閉鎖不全が4例であった.鼻咽腔閉鎖不良の主要因がS/P比のみにあったものは2例, 動態のみは1例, 双方は4例であった.S/P比に問題があった7例のうち, 3例は咽頭腔が深かった.

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