音声言語医学
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両唇を使った子音の構音発達
―健常児1例と口蓋裂児1例との比較―
平野 信子中島 誠川野 通夫三田村 啓子国吉 京子井上 幸木戸 直博
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2000 年 41 巻 3 号 p. 243-249

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抄録

口蓋裂児の構音発達を検討するための一資料として, 健常児1例と口蓋裂児1例について, どのような過程で, 両唇を使った子音を日本語の有意味語音声として獲得していくのかを比較検討した.検討期間は健常児は1歳1ヵ月から9歳まで, 口蓋裂児は1歳8ヵ月から6歳1ヵ月まである.
1.本健常児の場合, 両唇を使った子音は, 舌を使った子音よりも早くから構音していたが, その構音発達の過程で, 歯音または歯茎音, 歯茎硬口蓋音, 硬口蓋音, 軟口蓋音, 声門破裂音を含む声門音などいろいろな子音で構音することがあった.
2.本口蓋裂児においても同様の傾向がみられた.

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© 日本音声言語医学会
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