2000 年 41 巻 4 号 p. 371-378
Dysarthria患者58例を対象として子音の構音の明瞭性について分析を行い, 以下の結果を得た.
1.構音方法別分析では, いずれの重症度群ならびにタイプにおいても, 通鼻音と摩擦音で正答率が比較的高く, 破裂音, 破擦音, 弾音で比較的低い傾向がみられた.
2.構音点別分析では, ほぼいずれの重症度群ならびにタイプにおいても, 6種の音種間で有意差を認めなかった.
3.有声音と無声音の比較では, ほぼいずれの重症度群ならびにタイプにおいても無声音の方が正答率が高かった.
4.音素別分析では, 音素によって68.39%~30.08%と著しい差がみられ, 特定の異聴傾向が認められた.
以上の結果にもとついて, dysarthriaにおける構音治療について検討を加えた.