喉頭微細手術の効果を評価するための最小限で十分な検査指標を得るため, ポリープ様声帯43例, ポリープ49例, 結節16例について, 術前後の聴覚心理的評価, 音響分析, 空気力学的検査を行いその結果を比較した.術前の音声機能は, 病変が高度であるほど悪化していた.手術により3疾患とも多くの指標が有意に改善した.術後の3疾患の比較では聴覚心理的評価のみに差がみられた.ポリープ様声帯とポリープの音声の特徴は病変の存在そのものによる影響と考えられた.結節ではさらに過緊張性の発声習慣も音声に影響していた.GRB尺度, NNEbが術後正常域に入ったのは各疾患とも概ね半数以下の症例であった.手術の効果と限界が示され, 手術手技の進歩と適切な手術適応の確立が求められた.