読字を行う際, 音韻単位を意識する必要がある.本研究では, 小児が仮名文字言語を学習していく過程における読字能力と音韻操作能力の発達的関連性について検討するため横断的検討を行った.対象は3歳6ヵ月から9歳1ヵ月の健常児 (n=64) で, 仮名読字能力に関する検査と音韻操作能力 (分解・抽出・文字配列) の検査を行った.その結果, 健常児において各読字過程の能力が機能的な読字行為を成立させるために, 音韻操作能力の獲得が必要条件となることが明らかになった.また, 音韻操作能力も発達に伴い, 課題項目間の関連性が変化していくことが示された.