音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
運動障害性構音障害の機能回復
白坂 康俊
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 43 巻 3 号 p. 331-335

詳細
抄録

運動障害性構音障害の機能回復において, 最も重要な要因の一つは, 発現機序の正確な特定である.しかし, これまでのような, 聴覚印象的な評価と各発声発語器官の粗大運動レベルの機能評価を結びつける方法では十分に特定できるとはいいがたく, また具体的な訓練プログラムも立てにくかった.
今回, 日本語の各音素を実現するために必要な構音動作的要素を抽出し, この要素ごとに運動機能低下を評価する, いわば調音音声学的評価方法を提唱した.同時に, この評価方法で, 構音動作的レベルと各発声発語器官の粗大運動レベルの運動機能低下の関連性を評価できることも示した.
さらに, 構音動作的要素の問題点に対し, 運動障害性構音障害のタイプ別の特徴に配慮した訓練アプローチ, いわば運動学的アプローチを適用することの重要性を提言した.

著者関連情報
© 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top