音声言語医学
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MEGおよびTMSで認知機能を探る
上野 照剛
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2002 年 43 巻 4 号 p. 423-429

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抄録

fMRI, PET, 脳磁図, および近赤外光を用いた光計測などの非侵襲脳機能計測が実用化されている.fMRI, PET, 光計測は, 神経活動に伴う血液の変化を測定したものであり, 脳磁図は神経の電気活動を計測したものである.このため, 脳磁図は, fMRI等に比べて時間分解能が良く, 脳内の機能部位の変化を時間を捉えることができる.これらの手法とは異なり, TMS (transcranial magnetic stimulation) では, 頭外から非侵襲で脳神経が刺激可能であり, 刺激による脳機能地図を描くことができる.また, 数mmの分解能で脳神経を刺激したり, 神経の伝導を遮断することができるので, 神経ネットワークの研究に有効である.本稿では, MEG, TMSを用いた認知機能, 特にメンタルローテーションと短期記憶に関する実験結果について報告する.

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© 日本音声言語医学会
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