音声言語医学
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組織所見から見た充〓材料
田村 悦代北原 哲
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2002 年 43 巻 4 号 p. 450-457

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抄録

本邦では, 声帯萎縮に対する充填術に, シリコンやコラーゲンあるいは脂肪などの自家組織が用いられてきた.これらの材料について, 充填後の組織反応を観察し, 充填部位と粘膜波動の関係を考察した.
シリコンの声帯内注入術によって長期に著明な異物反応が起こったという報告はないが, 粘膜固有層に注入されると, 粘膜波動が障害される.一方, コラーゲンは, 注入後の吸収率が高いことと, 異種タンパクを用いることによるアレルギー反応や, 未知の感染症に対する危険性が無視できないという問題点がある.自家組織では, 脂肪組織や筋膜が用いられているが, いずれも, 著明な異物反応は認められないが, 注入後の吸収が問題となる.しかし, 脂肪組織の粘膜固有層への注入による粘膜波動への影響は少ないと考えられる.また, 筋膜注入後の吸収については, 現在のところ一定した結論は出ておらず, 今後の検討が必要と考えられる.

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