音声言語医学
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これからの嚥下障害治療
―新しい検査法―
肥後 隆三郎田山 二朗二藤 隆春深津 靖宣
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2002 年 43 巻 4 号 p. 460-466

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抄録

現在のところビデオ嚥下X線透視検査 (videofluorography: VF) が嚥下機能評価におけるゴールデンスタンダードだがX線被爆等の欠点も指摘されている.今回, 「新しい検査法」というテーマのもと, 現在までに論文等で報告されてきたVF以外の嚥下機能検査のなかから, まだ標準化されてはいないものの今後導入が予想される検査法や近年脚光を浴びている検査法を抽出し, これらの検査法を3つの大きな項目 (1.スクリーニング検査の導入について, 2.VFに変わりうる新しい検査法, 3.知覚系の評価) に分類したうえで代表的なものについて解説した.また, 遠くない将来に実用レベルに達してくると予想される新しい検査法を4つめの項目 (4.技術の進歩による新しいデバイスを用いての全く新しい検査法の開発) として加えた.これらの方法を実際の臨床の現場で使うためには検査の標準化が必須であり, また検査の信頼性を増すためには大規模な追試も必要であろう.

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