音声言語医学
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就学前6歳児におけるrapid automatized naming (RAN) 課題と仮名音読成績の関連
金子 真人宇野 彰春原 則子
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2004 年 45 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

欧米では発達性読み書き障害児を検出するために, 音韻操作課題やrapid automatized naming (RAN) 課題を用いることが多い.われわれは就学前の6歳児1, 001名に対して数字と絵のRAN課題を施行した.所要時間と誤反応数を解析指標としてRAN課題の成績が低下した児童を検出し, 仮名音読課題との関連性を検討した.その結果, RAN課題での所要時間と仮名読み成績の問には有意な相関関係が認められた (p<.01) .一方, RAN課題の音読速度が低下した遅滞群のなかにも仮名音読課題に満点をとる群が見られた.また, 数字の音読で誤る群と絵の呼称で誤る群はほとんど独立した集団と思われ, RAN課題の数字音読と平仮名1文字での音読成績との問には関連が示唆された.数字と仮名文字の情報処理過程は近似するためと考えられた.

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© 日本音声言語医学会
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