音声言語医学
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痙攣性発声障害患者の治療に対する満足度
笹井 久徳渡邊 雄介牟田 弘久保 武
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2004 年 45 巻 1 号 p. 8-12

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抄録

痙攣性発声障害 (以下SD) は非常に特徴的な音声症状を呈するにもかかわらず多くの患者は症状の自覚から長い期間を経て診断されることが多い.また現在治療には保存的治療であるボツリヌストキシン注入術をはじめとしてその他さまざまな外科的治療もあり, その選択は患者に委ねられている.今回われわれはSD患者17名 (うちボツリヌストキシン注入術, 音声治療など保存的治療を受けているのは12名, 外科的治療である甲状披裂筋切除術を受けたのは5名) に対し病悩期間や現在行っている治療およびその満足度などについてアンケートを行い, その実態について調査した.結果, 甲状披裂筋切除術を受けた5名の満足度は高かったのに対して, 保存的治療を受けている患者の満足度は半数を下回った.ただ現段階ではおのおのの治療法に一長一短があり, その選択をすることは困難であると思われた.

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