音声言語医学
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拡大口腔・中咽頭切除例における摂食機能
藤本 保志長谷川 泰久兵藤 伊久夫山田 裕子安藤 篤中島 務
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2005 年 46 巻 4 号 p. 251-256

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抄録

目的: 術後嚥下機能に影響する因子は切除範囲だけでなく再建方法, 年齢や放射線治療など多岐にわたる.これまで切除範囲を基準に多変量解析により広範囲口腔咽頭癌拡大切除後の摂食状況に影響する因子を検討した.方法: 1993年から2000年までに愛知県がんセンターにて喉頭挙上術, 輪状咽頭筋切除術を施行した45例を対象とし, 退院時および6ヵ月後の食事内容を名義ロジスティック解析により検討した.結果: 広範囲舌・中咽頭切除例であっても喉頭挙上術・輪状咽頭筋切除を追加することにより82.2%が摂食可能となった.退院時に経管栄養不要かどうかを指標に検討すると, 高齢と50%以上の舌根切除, 有茎皮弁の3つが, 最終的に嚥下食不要となるかどうかをハードルとすると高齢と50%以上の舌根切除, 50Gy以上の放射線治療が増悪因子となることがわかった.

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