音声言語医学
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小児人工内耳について
―当センターでの報告と考察―
田内 光小林 美穂
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2006 年 47 巻 3 号 p. 268-275

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抄録

当病院では現在までに44例の小児人工内耳手術を行った.年齢は最年少が1歳10ヵ月で最年長が10歳であり, 平均年齢は4歳9ヵ月であった.
手術の合併症として大きなものは, 電極の鼓室内脱出1例, 感染による創部膿瘍が1例に見られた.これらは, 皮膚切開を大きくした早期の手術法で起こったものである.これらの合併症は電極アレイを骨に十分固定すること, そして皮膚切開を小さくして筋肉および皮膚により人工内耳本体を十分に覆うことにより現在では起こっていない.
人工内耳装用児の語音聴取能検査では個々の児により差が見られた.しかし人工内耳による聴取能は補聴器によるそれと比べると良好であった.

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